フェヌグリークは、インド料理において独特の苦味と風味を与えるスパイスです。インドでは「メティ」とも呼ばれ、種子や葉が料理に使われます。特にカレーやピクルス、ダル(豆のスープ)に加えられ、料理に深みを与える役割を果たしています。
フェヌグリークシードは、硬くて小さな茶色の種子で、加熱することで甘さと苦味が増し、香りが引き立ちます。カレーやスープ、チャツネに使うと、ほのかにメープルシロップのような香りが感じられるのが特徴です。使う際は、テンパリング(油で炒める)を行うことで、香りを最大限に引き出すのがポイントです。カレーやピクルスに使われることが多く、料理全体に複雑な風味を加えます。
また、フェヌグリークの葉もスパイスとして利用され、「カスリメティ」として知られています。乾燥させた葉をカレーやベジタブルディッシュ、ナンに振りかけることで、ほのかな苦味と香ばしさをプラスします。特にバターチキンカレーやパラクパニールといったクリーミーな料理に加えると、風味が一層引き立ち、バランスが取れた味わいになります。
フェヌグリークは料理に特有の深みを与えるだけでなく、その健康効果も広く知られています。フェヌグリークは、血糖値のコントロールや消化促進、抗炎症作用があるとされ、アーユルヴェーダでも重宝されるスパイスです。特に糖尿病予防に効果的と言われており、種子を粉末にして水と混ぜて飲む伝統的な方法もあります。
フェヌグリークは、他のスパイスにはない独特の苦味と香ばしさが魅力のスパイスです。料理に少量加えるだけで、インド料理らしい奥行きのある風味を楽しむことができるので、ぜひ試してみてください。